当たり前の価値
——人が近くにいるということ
人が近くにいる。
それは、あまりにも当たり前すぎて、普段はその価値に気づきにくいもの。
家を出れば誰かとすれ違う。
近くの店には働いている人がいる。
同じ地域の中に、暮らす人、働く人、通う人がいる。
けれど、もしこの場所に自分ひとりしかいなかったとしたら。
遠くの誰かと連絡は取れても、同じ空気を吸い、同じ景色を見て、同じ時間を過ごしている人が近くにいなかったとしたら。
そのとき私たちは、「人が近くにいる」ということが、どれほど大きな安心を生んでいたのかに気づくのかもしれない。
人が近くにいる価値は、困ったときに助けてもらえることだけではない。
そこに誰かがいる。
同じ道を歩いている人がいる。
同じ雨に降られ、同じ街の音を聞いている人がいる。
それだけで、人はこの世界にひとりで置き去りにされていないと感じることができる。
画面越しに言葉は届く。
遠くにいる人とも、すぐにつながれる。
それでも、同じ場所に人がいることの代わりにはならない。
地域に人がいる。
地域で働く人がいる。
地域の中で会社が動いている。
そのことは、単に経済活動があるというだけではない。
暮らしの近くに人の気配があり、何かあったときに顔の見える距離でつながれるということ。
地元で働くということは、通勤時間を短くすることだけではない。
自分の暮らす地域に、人がいる状態をつくること。
地域の中に、日常的なつながりを残すこと。
そして、いざというときに支え合える距離を育てることでもある。
普段は当たり前に見えるものほど、失って初めてその意味に気づく。
人が近くにいること。
会社が地域にあること。
働く場所が暮らしの近くにあること。
それは、地域にとっての安心であり、暮らす人にとっての土台。
多摩の人事部は、地域で働くことを通じて、企業と人、そして地域がつながるきっかけをつくっていきたい。
近くで働くことが、地域を強くする。
当たり前に見えるその価値を、これからも大切にしていきたい。


















